電気のいらない「生ピアノ」は88鍵(白・黒)と決まっていますが、電子ピアノはもっと両端がみじかいものもあります。
どのくらいの長さの楽器を買うのがいいのでしょうか。
この記事では独学ピアノ講師・なんなんが「電子ピアノの鍵盤数」「いろんな曲で横幅が足りるか」調べてみました。
88鍵盤(フル)低い〜高い音域はどこまで?
88鍵そろったピアノで低い音は「ラ」、高い音は「ド」です。
45年間ピアノを弾いてきたわたしがこの「最高音」「最低音」を弾いたのは、この2回かぎりです。
最低音のラ(ピアノ鍵盤数)
・ブラームス作曲 ラプソディ第2番
・ドビュッシー作曲 喜びの島
最高音のド(ピアノ鍵盤数)
一生懸命思い出しましたが「ド」最高音を弾いた記憶がありません><
最高音「ソ」「ラ」くらいまでは使いますが、それより高い鍵盤は10年単位で使う必要がないようです。
61鍵キーボード・電子ピアノ(短め)
「88鍵・76鍵、61鍵」とあるのですが、この中で最も短い「61鍵」を先に紹介します。
5オクターブ+1音です
真ん中音域「どれみふぁそらしど」の他、
・低い音域、もう1つ低い音域
・高い音域、もう1つ高い音域
までがまかなえます。
J-popの楽譜でしたら、9割以上の音がこの音域におさまるのではと思います。
ポップスの場合は足りない鍵盤を1オクターブ上げて弾くなどで対応できるのではないでしょうか。
クラシック曲では楽譜の通り弾くしかないので「あるつもりで」その音を抜かして弾けばよいでしょう。
ときには88鍵フル・ピアノを借りるなどして、足りない音のカクニンをすれば何とかなりそうです。
76鍵盤・電子ピアノ(中型)
88鍵と76鍵の中間サイズです。
76鍵の特徴は、61鍵(ド〜ド・5オクターブ)に
・「シラソファミ」(低)
・「レミファソ」(高)
を足したサイズです
黒鍵も入りますので
・低音(8つ鍵盤・ミまで)
・高音(7つ鍵盤・ソまで)
が増え、合計76鍵のサイズになります。
76鍵で足りない音は!?
・低い「レドシラ」(黒鍵入れて7つ)
・高い「ラシド」(黒鍵入れて5つ)
クラシックでもロマン派後期〜近現代にならないとあまり使わない鍵盤です。
中級〜上級者向けの曲にでてきます。
ただ最近の子供向けピアノ教則本では、いちばん初歩のときから「すごく低い音」「すごく高い音」がでてきます。
そのためピアノの先生方は「88鍵」のピアノを勧めることが多いです。
最後にまたまとめますが、大人が独学でピアノをはじめる場合には、住居スペース、引っ越しなど「現実生活」の問題とあわせ、柔軟に鍵盤数を決めてよいと思います。
鍵盤が足りなくてガッカリする時もあれば、多少の不自由があっても楽器のコンパクトさを重視した方がいい場面もあるからです。
まとめ
電子ピアノの鍵盤数「88鍵・61鍵・76鍵」を紹介しました。
クラシック出身のピアノ教師に習うと「88鍵そろった楽器を!」と口をそろえて指導します。
しかし88鍵の楽器にも欠点があり、横幅を必要とすること、重量が重くなることです。
J-pop、ポピュラー曲を弾く場合には、そこまでの横幅はいらないのではと最近では思います。
76鍵あればたいていの曲では足りますし、61鍵でも練習用と割り切れていればじゅうぶん使えます。
住居スペースや生ピアノへの買い替えなど、各人の事情に合わせた楽器を入れるとよいでしょう。