ピアノ教本「ハノン」2部は、スケール(音階)をおぼえる練習です。
長調12つ、短調12つ、合わせて24のスケールをおぼえていきます。
調の順番、テンポ、カデンツ(和音)、練習におけるスケールのコツについて、ピアノ講師の立場から解説していきます。
ハノン・スケールの順番は?
通して練習すると効果倍増、ハノン・スケールの順番を紹介します。
「長調・短調」の順
24調のスケール、最初の調は「ハ長調」です。
調号なし、すべて白鍵盤(白鍵)の調ですね。
2つめの調は「イ短調」、調号なしの短調です。
スケール最後の音「ソ#」だけ半音高く、黒鍵です。
このようにハノン・スケールでは「長調」「短調」の組み合わせ順で、音階練習をすすめます。
フラット→シャープの順
3つめの調は「へ長調」フラット1つの調で、長調です。
4つめの調は「ニ短調」同じくフラット1つの調で、短調です。
5つめ、6つめの調は「変ロ長調」「ト短調」フラット2つの長調・短調です。
7つめ、8つめの調は「変ホ長調」「ハ短調」フラット3つの長調・短調です。
ハノン・スケール前半は、1つずつフラットが増えた調を練習します。
フラット6つの調まで進んだら、その次はシャープ5つの調になりなす。
そしてシャープ4つ、3つ・・・1つの長調、短調を弾き終えると、24ぜんぶの長調、短調スケールを弾いたことになります。
ハノン・スケールのテンポは?
全音楽譜出版社のハノン・スケールは「四分音符=60〜120」とテンポ指定があります。
メトロノームの重りを「60」に合わせ、カチカチ音が鳴るのに合わせ「たららら」「たららら」と4つずつ16分音符を入れて練習します。
このときの練習テンポは「四分音符=60」です。
初めて練習するときは、この「四分音符=60」か、もっとゆっくりなテンポで覚えるとよいでしょう。
メトロノームの重りを「120」に合わせ、「たららら」「たららら」と4つずつ練習すると、「四分音符=120」のテンポ(速さ)です。
毎日少しずつ練習し、速度を速めて弾けるようにします。
一気にテンポをあげすぎると、指や腕が痛くなることがあるので、注意しましょう。
スマホアプリにもメトロノームがあります
アンドロイド、iphoneのスマホアプリにも「メトロノーム」があります。
無料で音の聞こえやすいもの、操作のしやすいのを探してみてください。
スマホアプリの電子音は、ピアノの音と似ていて、聞き取りにくいです。
練習していて不満に思う人は、専用のメトロノーム機があると重宝します。
ハノン・カデンツ(和音)のコツは?
ハノン音階(スケール)には、最後に和音セット(カデンツ)がついています。
構成音としては
(れ)ふぁらど・どみそ・そしれ(ふぁ)・どみそ・・・ハ長調
となっています。
( )内の音をのぞくと
ふぁらど(4)・どみそ(1)・そしれ(5)・どみそ(1)・・・ハ長調
和音の骨太なうごきが見えてきます。
そしれ(5)→どみそ(1)では、主和音に向かう力強い流れを感じます。
ふぁらど(4)→どみそ(1)は上よりソフトな和音の流れが起きています。
どの長調・短調でも、「4→1」「5→1」のカデンツ(和音セット)が最後についています。
西洋音楽のあいうえお表、アルファベットのようなものなので、音階とセットでおぼえましょう。
ハノンまとめ(スケールのコツ)
ハノン・スケールのコツで
- 長調→短調、フラット(増)→シャープ(減)の音階
- テンポは四分音符=60〜120(たららら)
- カデンツ(和音)は4→1・5→1と主和音(どみそ)に向かう
を解説しました。
ピアノを途中で挫折した人の多くは、長調・短調のスケール・和音(カデンツ)を覚える前に、やめてしまったのだと思います。
逆にいえば、長調・短調で24スケールをおぼえてしまえば、ピアノに挫折することなく、好きな曲に挑戦できるようになります。
ピアノを習う人はみんな覚えるので、根気よく練習しましょう。