ピアノを習っている人も習っていない人も、自宅での練習は「独学」そのものです。
貴重な時間をかけて練習するのですから、ムダなく上達させたいですよね。
ピアノの先生はスポーツ同様もともと素質にめぐまれた人が多く、自宅での練習方法のコツを教えてくれない場合が多いんです。
この記事ではピアノ講師歴30年のなんなんが独学で上達できる3つの練習方法についてお伝えしようと思います。
ピアノ独学で上達できる練習方法・1つめ「指を止める」
まず1つめの練習方法ですが「次の音がわからなくなった瞬間に、鍵盤上で指を止める」を徹底させてください。
これは私のピアノ人生において出会った数少ない「上級レベル」に達した人からのアドバイスで、情報元はおそらく音大の先生からですので本物のアドバイスです。
小学生くらいのお子さんの「ピアノ発表会」を見た人で、こんな経験をした人も多いかと思います。
下手な小学生
消しゴムなし、インクでのお絵かきと同じように、ピアノ演奏では「弾き直し」はできないんです。
家で弾き直す練習に甘んじていると、本番で弾くときにも必ず「弾き直し」をしてしまいます。
「弾き直し」を防ぐたった一つの方法は、次に弾くべき音がわからなくなったら、絶対に次の音に進まないことです。
下手な小学生
当てずっぽうの演奏は、いずれ破綻します。
道をあるく時には、最終的に目的地につければ、どんなルートを通っても構わないのですが、ピアノでは足がよろけ始めるとたいていその先で収拾がつかなくなります。
普段からの自宅練習で、次に弾くべき音をかならずハッキリ判明させてから先にすすむ習慣を骨身に身につけましょう。
ピアノ独学で上達できる練習方法・2つめ「美しい音色」
美しい音が出る打鍵の仕方を身につけましょう。
音楽学科・ピアノ科の先生に15年間習ったのですが、「あるべき音色」の注意ばかりされました。
ピアノは押せば音の出る楽器ですが、楽器である以上「美しい音色」というのが上達の上で最も大切なものになります。
分銅のオモリのようなものを「がしゃん」と鍵盤上に落とすと、ピアノの音もつぶれたような「イヤな音」がします。
その反対に、やさしくデリケートに注意深く、しかしとらえるべきポイントをきちんとさらうように打鍵すると、演奏者の狙った「音色」が出ます。
バイオリンや管楽器ほど露骨に「良い音色」「ひどい音色」が出ませんが、ピアノにも「美しい音色」というものが存在します。
自分の身体的条件の範囲内、あつかう楽器の範囲内で、もっとも美しい音色が出せるよう、上達のためにいつも心をくだく必要があります。
ピアノ独学で上達できる練習方法・3つめ「体の構造を知る」
スポーツにも効率のよいバットやラケットの振り方があるように、ピアノにも効率のよい手指での打鍵方法があります。
少し前までは「根性論」で手指や体をきたえてピアノに立ち向かっていった人が多かったのですが、近年ではアメリカやロシアなどピアノ奏法の先進国から体によい演奏方法が日本にも伝えられてきました。
ピアノを習っている人は先生から紹介されたと思います。
独学で学んでいる人もこの本は一冊手元において勉強につかうと良いでしょう。
・アレクサンダーテクニーク
自分の身体を思い通りにコントロールするコツを勉強します。
もともとは演劇の分野から取り入れました。
・ボディーマッピング
体のどこにどんな関節があるか、筋肉はどのように関わっているのか、体感として感じながら地図をつくっていきます。
ピアノ演奏にはもちろん各種スポーツや腰痛、ひざ痛などの予防にも役立ちます。